2024.02.23 05:15Unam Sanctam(ウナム・サンクタム) 訳(前半)周辺情報 『Unam Sanctam』は教皇ボニファティウス8世(在位 1294-1303)によって1302年に出された大勅書。慣例として教皇文書は冒頭の単語をとって呼ばれるため、本勅書も冒頭二単語からそう呼ばれる。 同勅書はボニファティウス8世とフランス王フィリップ4世(端麗王)との対立の中で生まれた。対立の始まりは、1292~94年の教皇空位期にフィリップ4世が自らの支配地の聖職者に課税したことに対し、ボニファティウス8世が教勅『Clericis laicos』を発布し対抗したことだった。両者の対立は1303年の有名なアナーニ事件の後にボニファティウス8世が死没するまで続いた(フィリップ4世による初めての三部会招集もこの時である)。 それゆえに『U...